Google Admobを使用して、自作したアプリに広告をつけてみましょう。ゲームやツールにうまく組み込めば、自作のアプリにユーザーを招いて副業収入も夢じゃありません!
現役のマーケッター&データアナリストとしても働いているmiyaが、Admobによる広告ユニットの設定から収益アップの為にできることまでお話しします。主軸のテーマとしてはAdmobになるのですが、広告による収益化に通底する考えなんかも含められたらいいなあ。
いくつかに分けてご紹介します。今日は第1章。
その広告、本当に必要ですか?
アプリやwebサイトに必ずと言っていいほど現れる広告。
メディアを利用して自社の宣伝をしたい広告主から収益を頂くという仕組みですが、その扱いは慎重にしなければなりません。
一般的に、広告はウザいです。楽しいコンテンツに水を差す、見たくもない商品を見せられる、「買ってね!」感が鬱陶しい。YouTubeなんて月に1000〜2000円払ったら広告が一切出なくなるくらいですからね。(2023年8月時点)
本質的にはユーザーの未知の需要を喚起するのが広告の役割で、パブリッシャーとしては「三方良し」なUXを実現するべきなんですけどね?とはいえ広告に頼らずとも、サブスクリプションやアプリ内購入なんかでも収益化はできるわけです。(なんならそっちの方がファンを作りやすいし安定した収益も得られる)
いの一番にこんな話で恐縮ですが、広告の濫用や多用でユーザーの心は確実に離れていきます。 多少の収益と潜在的なファン、どちらを取るのかはアプリの企画段階で決めて肝に銘じましょう。
広告に適した状況とは?
さあ、広告にする覚悟は決まりましたか?……なんてね。広告ってどういう場合に適してるんでしょうか?一緒に考えてみましょうか。
こういう時は、ひとまずユーザーの気持ちになって考えてみましょう。適当にゲームっぽい画面を描いてみました。下は操作エリアで、上が実際のゲームが展開されている画面です。
題して「こんな広告はいやだ」。鉄拳さん、お元気ですか?
シンプルに邪魔だ
ゲーム画面に広告を被せないでください。邪魔です。これは極端な例ですが、空白領域の少ないアプリ画面には広告は載せない方がいいです。メインとなる画面に広告を載せるとインプレッションを増やしやすいのは確かなんですけどね。
操作できない
これじゃ前進できないですね。このゲームだとゴールできなくなっちゃいます。ゲームオーバー。そもそもこれ、Googleが提供する広告だと規約違反です。誤タップや誤クリックを誘導する場所に広告を置いてはいけません。広告の無意味なクリックが増えてしまいます。
翻って、操作パネルやゲーム内アイテムが多い画面には広告を置かないようにという感じですね。
ということで、こういうゲームでは広告を置くとしても端っこにバナーを置くくらいでしょうか。ゲームの作りこみ具合によっては、世界観を邪魔することにはなっちゃうかもしれませんが…。どうぶつの森やってるのに脱毛エステの広告ずっと見せられてるみたいな?もうちょいマシな例えはないのか。
結論、ユーザーの操作や世界観の邪魔をしなければいいと思います。ユーザーが広告を見ることも考慮に入れた動線設計を考えて、邪魔にならない領域にバナーを入れたり作業やプレイに一区切りがついた段階で広告を入れたりできるといい感じです。
バナーの話ばっかりしましたが、リワード広告やインタースティシャル広告なども同じ考え方です。この辺は画面内に入り込んでくるものではないのですが、ゲームやってるんだか広告の動画見てるんだか分からないアプリとかありますからね。
(……正直この辺は信教の違いです。僕はユーザーの迷惑になりたくない派閥なので上記のような考え方をしがちです。)
さあ、広告にする覚悟は決まりましたか?
広告の基本的な構造
ということで、アプリ内広告で収益化するための基本概念を理解しておきましょう。ひとまず単価とインプレッションという概念について知っておく必要があります。
広告による収益は、以下の式に基づくかけ算になります。
(広告の品質はどのくらい?)×(何回広告が表示された?)=収益
よって、広告で高い収益を得るためには、(質の良い広告を)×(たくさんの人に見せる)ということが必要になってきます。
この「広告の品質はどのくらい?」を広告単価、「何回広告が表示された?」をインプレッション(imp)と呼びます。
広告単価を上げるためには、例えばユーザーのターゲティングができると良いです。ユーザーの狙いを絞るってことですね。青森県のユーザーに九州の定食屋の広告を出しますか?富裕層向け高級車を買ったユーザーに牛丼チェーンの広告を出しますか?みたいなことです。
この辺はAdmobを使う場合、Google様が良きようにやってくれます。というか僕らには広告主を選ぶことがほぼできません。
また、広告のタップ率が高いものは質が良いという判断をされがちなので、クリックしやすい動線に広告を置くことも大事です。さっきの項とは真逆のことを言っているようですが。
インプレッションを上げるためには、とにかく広告を表示しまくることです。
動線設計の時に広告を仕込みまくることではありません。たくさんユーザーを招き入れましょう。ひとりのユーザーに500回広告を見せるより、1000人のユーザーに1回ずつ広告を見せる方が楽ですもんね。
また、アプリの継続率を上げることも有効です。ユーザーが何度も訪れてくれるようなアプリを作れば、必然的に一人当たりのインプレッションも増えるよねって考え方ですね。
まずはこのかけ算だけ覚えておけばいいです。基礎大事。ほんとに。
むすび
第1章として広告の設定をするために必要な考え方を一通りさらっていきました。収益のモデルを考えとく、ユーザーの操作や世界観を邪魔しない、収益をかけ算で考える。この辺りはマーケティングをするにしても、ビジネスを考えるにしても大事な考えだと思っています。
アプリで副業を考えている読者様は、きっと素晴らしいアイデアを持っていることでしょう。だからこそ、ユーザーに真に愛される質のいいアプリを作ってほしいです。この連載では引き続き、Admobを用いた広告の実装をやっていきます。次の章もお付き合いくださいな。
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